学歴社会への疑問
大学がまともな企業へ入るためのパスポートとなっている現状は、大学の在り方として疑問です。
そもそも大学は研究機関であって就職あっせん予備校ではありません。
しかし研究に勤しんでいるのは一部の学生だけで、ほとんどの学生にとって大学は「社会人になる前の最後のモラトリアム機関」となっています。
現状の問題点
18歳で行く大学と専攻を選んで、たった1回の就活で仕事を選ぶなんてハイリスクすぎると思います。
18歳なんて自分のことを何もわかっていない状態です。(少なくとも私はそうでした)
自分は何が得意で、何が好きで、何をしているとき嬉しいか。自分の特性はどんな仕事で活きるのか。
仕事選びで必要になることを何も考えていませんでした。
もちろん私の責任でもありますが、高校生までは勉強と部活に追われてましたし、就職するのは大学が終わった4年後となれば自分と向き合う時間の優先順位が下がるのも仕方なかったとも思います。
また経済的な問題も無視できません。
物価は上がるのに給料は据え置き。これでは子供を大学に行かせたくても、学費を捻出できません。
ぎりぎり生活できるくらいの給料しか出していないのに、求職者を大卒に限定している企業の姿勢もおかしいと思います。
高卒社会人とは
現状を打開するために提案するのは、高校卒業とともに社会に出る「高卒社会人」です。
ただ社会人と言っても、一度社会に出たら定年まで勤めあげる従来の社会人ではなく、3~5年のインターン期間があるイメージです。
高校を出て5年くらいはいろんな会社や職種をやったり辞めたりして、自分の適職を探します。
インターンの途中でいい会社に恵まれればそのまま働いてもいいですし、適職が見つかり本格的に学びたいと思えば大学にいくという選択肢があってもいいのではないかと思います。
もし高卒社会人が一般的になったら
高卒でも適職を探しながら優良企業に採用されるような社会なれば、いろんな問題が解消するのではないか?と考えています。
経済的な問題
親が子供の大学、もしくは大学院までの学費を考えなくていいので、少子高齢化の対策になるのではないかと思います。
子どもが大学に行くときは3~5年働いた後なので、多少の貯金も出来ているはずですし、親が全額負担しなくてもよくなっているのではないでしょうか。
さらに従来の学歴社会が崩壊していますので、過度な受験勉強をする必要もなく塾や予備校代も節約できます。
また高卒社会人は、子供の側にも金銭的なメリットがあると思います。
最近は奨学金を借りて大学を出る子も多いそうです。
大学入学の時点で自分の貯金が今までお年玉しかない状態より、真っ当な給料をもらいながら貯金した自分のお金を持っている状態の方が精神的にも楽だと思います。
精神的な問題
私は塾講師をやっていますので、やりたくもない勉強を頑張っている生徒を山ほど指導してきました。
学歴社会が崩壊すれば、多くの生徒が受験競争から解放されより学生時代を謳歌できるのではないかと思います。
チャンスの問題
もしも高卒で働いて自分と合う企業が見つからなかった場合、大学に入ることで新卒就活をやり直せるチャンスが残されているのは大きいと思います。
私の友人の話ですが大学4年の時に就活がうまくいかず、院に進学して2年後に就活をしていた人がいました。
もし高卒社会人をやった後であれば、ある程度仕事の経験はたまっていますから、次の就活では自分の適職に巡り合える確率が高まった状態で就活を進めることができます。
私が考える理想
私は新卒のときに就活をミスったことで、人生激辛ルートへ突入してしまいました。
もちろん自分のせいです。
でも今の日本は、一度レールを踏み外した人に厳しすぎるとも思います。
空白期間があったり、大人になってから大学に行ったりすると色眼鏡で見られてしまう。
今は大人もリスキングがはやっていますし、必要なときに学んだり働いたりしながら、いつでもリスタートできる社会になってほしいなと思います。